恒成株式会社様

恒成株式会社様_DX支援インタビュー

Detail

「アナログからの脱却、DXで切り拓く鋼材業の未来」

会社概要
事業所名 恒成株式会社
創業 昭和9年
設立 昭和44年3月3日
事業内容
・ステンレススクラップ及びその他希有金属スクラップの集荷・販売
・ステンレス鋼材及びチタン等加工販売
背景
恒成様は、金属加工業で名高い新潟県燕三条エリアを拠点とし、多品種・小ロットの鋼材供給を得意とする企業です。長年にわたり業界で信頼と実績を築いてこられましたが、本格的なDX推進に着手する以前は、以下のような課題を抱えていらっしゃいました。
社内にIT専門の担当者がおらず、市場に溢れるITサービスの中から自社に最適なものを選び出すことに難しさを感じていた。
「DX」という言葉は耳にするものの、具体的に何から取り組むべきか、その全体像を掴めずにいた。
勤怠管理は紙のタイムカードで行っており、毎月の集計作業に多くの時間と手間を要していた。
社内の情報共有やデータ管理においてもアナログな手法が多く、業務効率の向上や働き方改革が求められる状況だった。
こうした状況に対し、澁木社長の「デジタル化を強力に推進する」というリーダーシップのもと、FiveVaiがパートナーとなり、全社的なDXへの挑戦がスタートしました。
ご支援内容
FiveVaiは、恒成様のDX戦略パートナーとして、現状の課題解決と将来の成長を見据え、以下のご支援をさせていただきました。
DX戦略コンサルティング: 徹底したヒアリングを通じて現状の課題を可視化し、恒成様の事業特性や企業文化に合わせたDXの方向性と具体的な推進ステップを策定。社内からは見えにくい客観的な視点からの助言を提供。
kintone導入・アプリ開発支援: 業務プロセスの分析に基づき、各種業務に対応したカスタムアプリの開発を全面的にサポート。データの一元管理、業務の「見える化」を推進し、アナログ作業に慣れた従業員の方々への丁寧な操作指導も実施。

Google Workspace導入支援: 長年の懸案であったコミュニケーション基盤の刷新を図り、独自ドメインによるセキュアで信頼性の高い環境を構築。サーバー管理の負荷軽減にも貢献。

業務効率化ツールの選定・導入支援:
勤怠管理システム「ジョブカン」の導入を支援し、タイムカード集計の自動化、申請業務のデジタル化を実現。労務管理の効率化と適正化をサポート。
プロジェクト管理ツール「Backlog」の活用を推進し、複数部門にまたがるタスク管理の効率化と進捗状況の共有を促進。
チャットツールの導入を支援し、社内コミュニケーションのスピードアップと円滑化に貢献。

DX推進に伴う伴走型サポート: 定期的なミーティングの実施や、日々の疑問点・課題に対する迅速なサポートを通じて、DXプロジェクト全体の円滑な進行と社内への定着を支援。恒成様の主体的な取り組みを最大限に引き出すことを重視。

※上記ご支援内容は、恒成様との緊密なコミュニケーションのもと、同社の事業フェーズや従業員の皆様のIT習熟度を考慮し、運用のしやすさと将来的な発展性を見据えた上で、真に必要なサポートを柔軟に提供させていただいたものです。
ご担当者様の声
【インタビュー対象者】
原料リサイクル事業部 管理部長 齋藤 裕司 様
鋼材事業部 石見 武史 様
総務部 主任 鍛治山 晃 様
社長室 室長 石田 政行 様
Voice

インタビュー

1. 会社概要・担当者の役割
Q1. 多品種・小ロット対応や豊富な在庫提案など、御社ならではの強みを教えてください。  

「お客様のニーズが多様化し、多品種小ロット対応の傾向が強まっていると感じています。大手企業が敬遠しがちなこの分野で、お客様が望む商品を提供できる点が当社の強みです。」(石田様)

Q2. 皆様それぞれのご担当領域と役割を教えてください。

「私は鋼材事業部に所属しており、品質管理やクレーム対応などが主な業務です。また、パソコン操作が苦手な従業員も多いため、サポートも私の大きな役割です。」(石見様)
「原料リサイクル事業部で部長を務める齋藤です。管理部長として、現場の様々な管理業務を担当しています。」(齋藤様)
「総務部の鍛治山です。総務全般、特に経理や労務関連を担当しています。」(鍛治山様)
「社長室の石田です。主に勤怠管理、総務、その他社内の様々な業務に携わっています。」(石田様)

Q3. 御社の風土・企業文化についてもお聞かせください。

「当社は『愛と幸せの仲間作り』という企業理念を掲げており、その言葉通り従業員同士の仲が良いと感じます。澁木社長を除き、役職者も『さん』付けで呼び合っています。また、近年は5S活動にも力を入れており、通常の整理・整頓・清掃・清潔・躾の5Sに対し、当社では澁木社長が最後の『しつけ』を『習慣』と表現することが多いです。」(齋藤様)

2. DXコンサルティング
Q4. IT専門の担当者がいらっしゃらない中で、世の中にある様々なITサービスから最適なものを選定し、導入していく点に難しさを感じていらっしゃいましたか?また、当時抱えていた具体的な課題や悩みがもしあればお聞かせください。

「はい、感じていました。現在はインターネットで情報が容易に手に入る反面、情報が多すぎて何が当社に最適なサービスかを選ぶのが難しいと感じていました。」(石見様)
「そもそもDXという言葉自体、社内で意識され始めたのは3年ほど前、澁木社長がFiveVaiさんとお付き合いを始めた頃からです。それまでは世間でDXが話題になっていても、私自身、漠然とは理解していても具体的に何をDXと呼ぶのかさえ分からない状態でした。」(石田様)
「長年の懸案事項として、社内の情報伝達手段に関する課題がありました。以前は社内で統一された公式なメールシステムが未整備で、セキュリティや対外的な信頼性の面で課題を感じていました。また、従来の運用方法では、セキュリティ基準の厳格化に対応しきれないリスクも抱えていました。」(鍛治山様)

Q5. FiveVaiのDXコンサルティングを受けられたことで、「DXを進めたいが、何から手をつけるべきか分からない」といった漠然とした状態から、具体的な課題が見えてきた、といった変化はありましたでしょうか?

「はい、明確な変化がありました。社内だけでは気づけない視点からのアドバイスは常に的確だと感じています。自社のことは案外自分たちが一番分かっていないもので、外部の視点を取り入れる重要性を実感しています。」(石見様)
「恒成様の場合、澁木社長がDX推進に非常に積極的で、その熱意が従業員の皆様にも伝わり、協力体制が築かれている点が素晴らしいです。トップが率先してデジタル化を推進する姿勢は、我々支援する側にとっても非常に進めやすい環境だと感じています。」(FiveVai)

3. 導入プロセス・具体的施策と人材育成
Q6. kintoneを活用して業務アプリを開発されたと伺っております。FiveVaiからはアプリ開発に関して、具体的にどのような支援を受けられましたか?

「当社ではkintone導入が初めてで、文字通り右も左も分からない状態でした。本当に初歩から丁寧に教えていただき、大変感謝しています。導入当初はほとんどのアプリ開発をFiveVaiさんにお任せし、指示ばかりで申し訳ない気持ちでした。」(石見様)
「原料部では正直なところ、アナログ作業に慣れた従業員が多く、デジタルツールに長けた人材はほとんどいません。私がkintoneでいくつかアプリを作成しましたが、実際に使いこなせる従業員は限られていました。最近ようやく指導しながら少しずつ使えるようになってきましたが、本格的なデジタル化はまだ道半ばで、『面倒だ、アナログの方が楽だ』という声も根強いため、地道に進める必要があると感じています。」(齋藤様)
「アプリをいくつも素早く作成できたのは、何かご経験があったからですか?」(FiveVai)
「いえ、特に経験があったわけではありません。私は54歳ですが、高校時代からパソコンに触れる機会が多く、一時はゲーム業界を目指したほどパソコン操作には慣れています。大体1時間も触ればツールの概要は掴めますし、試行錯誤しながら機能や操作方法を理解していく感じです。」(齋藤様)

Q7. 石見様にお伺いします。FiveVaiの支援を受けながらDXプロジェクトを進める中で、石見様ご自身の役割や業務の進め方に、以前と比べてどのような変化がありましたか?例えば、プロジェクト管理ツール(Backlogなど)を活用したタスク管理や、社内外の関係者との調整など、DX推進のマネジメント面で変化を感じる点はございますか?

「はい。DX関連のプロジェクトに本格的に関わるのは初めての経験です。前職では所属部署内で小規模な改善活動はしていましたが、今回のような全社横断的な取り組みや社外の方との連携は初めてで、非常に貴重な機会だと感じています。現在はBacklogを活用しており、私だけでなくプロジェクトメンバー全員が進捗状況を可視化し、タスク管理できるようになったことは大きなメリットです。」(石見様)

4. 得られた成果・社内の反応
Q8. DXの取り組みを実施してきた結果、業務のしやすさ、働きやすさ、便利さなどに変化はありましたか。

「はい、変化はありました。個人的に最も便利になったと感じるのは、まだ全社展開には至っていませんが、チャットツールを導入できたことです。従来は電話やFAXが主な連絡手段で、相手の状況が分からずすぐに返答を得られないこともありましたが、現在はスマートフォンやパソコンから気軽に連絡が取れ、業務スピードが向上したと感じています。」(石見様)
「懸案だったコミュニケーション基盤は、Google Workspaceの導入で一気に解決しました。この決断をしてくださった澁木社長には大変感謝しています。サーバー構築など専門知識が必要な作業も、FiveVaiさんの協力なしには実現できませんでした。本来なら専門業者に依頼すべき内容を、FiveVaiさんとのご縁でスムーズに導入できたと本当に感謝しています。」(齋藤様)
「これまで総務部では主に経理と労務を担当していましたが、最近、労務関連、特に勤怠管理のDXを進めました。従来はタイムカードの情報を手作業で集計していましたが、新たに勤怠管理システム『ジョブカン』を導入し、自動集計の仕組みを構築しました。これにより、以前は総務担当者がタイムカードを見ながら一件ずつ手入力していた出退勤時刻の集計作業が不要になり、従業員が出退勤を打刻するだけで残業時間も含めて自動集計されるようになりました。結果として、従来2、3人がかりで丸一日を要した集計・確認作業が、現在は大幅に短縮され、ほとんど時間をかけずに完了しています。導入初期こそ多少時間を要しましたが、今後は作業時間がさらに削減され、業務効率も向上する見込みです。また、有給休暇や欠勤、遅刻早退などの各種申請も、従来の紙ベースから一部ジョブカン上で申請・承認できるようにデジタル化しました。これにより書類の所在が不明になることもなく、承認状況もリアルタイムで確認できるため、従業員全員にとって非常に分かりやすく利便性の高いシステムになったと感じています。」(鍛治山様)

Q9. チームの雰囲気や連携面で、導入前と比べてどんな変化がありましたか。

「kintone導入当初は新しいツールへの戸惑いもあり、データ入力作業を私一人で行っていました。しかし、同じ部署の従業員が少しずつ操作を覚え、現在では私が直接入力することはほとんどなくなり、各自がパソコンやスマートフォンを駆使して対応しています。この点で連携面は大きく改善されたと感じます。以前は『これをお願いします』と依頼することが多かったのですが、今では『これは対応済みです』『これはやっておきますね』といった自発的な声かけが増え、チーム内のコミュニケーションが円滑になったと感じています。ツールの導入が結果的に会話のきっかけを生み、コミュニケーションの質の向上にも繋がっているようです。」(石見様)
「原料リサイクル事業部では、従業員に操作方法を教え少しずつ使えるようにはなってきていますが、本格的なデジタル化にはまだ課題が多く、従来のアナログなやり方を好む声も依然としてあります。一歩ずつ着実に進める必要があると感じています。」(齋藤様)

5. 今後の展望・業界へのメッセージ
Q10. DX導入以前はアナログな管理体制だった部分もあったかと存じますが、これまでの取り組みを経て、今後、社内がどのように変わっていきそうか、現時点で感じていらっしゃる手応えをお聞かせください。

「(FiveVaiさんのご指導のおかげで)DXの考え方が徐々に社内に浸透し、会社全体が大きく変わりつつあるのを実感しています。この変化の過程を大切にし、さらに前進させたいのが率直な思いです。私自身、年齢を重ね新しいことへの対応は容易ではありませんが、石見さん、鍛治山さん、齋藤さんたちに教えてもらいながら何とか追いつこうと努力しています。今後は全社的にDXが浸透し、より良い方向に進むことを期待し見守っていきたいと考えています。」(石田様)
「原料リサイクル事業部では、どこまでデジタル化を進めるべきか、正直まだ判断が難しい部分があります。スクラップ業界はデジタル化の恩恵を受けやすい業務とそうでない業務が混在しており、場合によってはアナログな手法の方が効率的なケースも考えられます。最適なバランスを見極めることが今後の課題だと感じています。」(齋藤様)
「確かに部分的に見ると、デジタル化によって一時的に手間が増えるように感じる業務もあるかもしれません。しかし業務プロセス全体を俯瞰し長期的な視点で見れば、後工程の負担軽減や全体の効率化に繋がるケースが多くあります。一部の従業員にとっては負担増になる可能性も考慮しつつ、会社全体としての生産性向上を目指すことが重要です。また、従来のアナログな手法を好む方々には、デジタル化によって最終的にご自身や周囲の業務が楽になることを丁寧に説明し理解を促すことが普及の鍵となります。さらに、kintone等で蓄積されたデジタルデータは将来的に経営戦略の立案にも活用できる可能性を秘めており、そうした観点からもDX推進の意義は大きいと考えています。」(FiveVai)

Q11. 「お客様の立場で考え、資源循環で社会に貢献し続ける」ことを原点に、多品種・小ロット対応とDX投資による顧客価値向上を掲げていると伺っておりますが、それに対して取り組んでいく上での(DX推進担当PMとしての)次の一手・施策があればお聞かせください。

「今後はAIの活用が一層進むと考えています。現在は特別な技術と捉えられがちですが、いずれ当たり前のように業務に取り入れられる時代が来るでしょう。人間の思考に頼る業務の多くがAIによって代替可能になるかもしれません。例えば当社では現在、コイル材から製品を切り出す際のカットプランを熟練工の経験と勘に頼っていますが、将来的にはAIによる最適化・自動化を実現したいと考えています。お客様の指定寸法に合わせ、最も端材が少なくなる最適な組み合わせをAIが瞬時に算出し提案してくれ、最終的な判断を人間が行う、といった形が理想です。」(石見様)

Q12. 最後に、同業他社様など、まだDXに踏み切れていない、あるいは推進に課題を感じている企業様に向けて、何かアドバイスやメッセージがあればお願いいたします。

「DXを推進するには社内に専門の担当者が必要だと考えがちですが、必ずしもそうではありません。現在は様々なITサービスが存在しますし、当社もFiveVaiさんという素晴らしいパートナーとの出会いでDXを実現できました。チャンスは身近なところにあり、それを掴み取れるか、そして実現に向けて努力を継続できるかが重要です。諦めずに取り組めば必ず道は開けると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいです。」(石見様)

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